さようなら、スッポくん

すずかけが出来たばかりの2014年5月に、ご本人は了承したかどうかわからないのですが、すずかけの仲間になった、すっぽんのスッポくん。

 

あれから5年半、子どもたちにエサをもらい、顧問のアッキーノに水を替えてもらって、すこーしずつ、すこーしずつ大きくなりました。

最初は小さな子どもの手のひらほどの大きさだったのが、今や大人が両手で持てないほど。

 

スッポンという通り、噛まれると怖いなと思うようになりました。

 

大きめの水槽も窮屈そうだし…どうしようか…生きていけるところに戻る…?

河川の水質や生き物に詳しい人に聞いてみると、水がたっぷりあって、エサになる生き物がある野川に離したらいいんじゃないか、とアドバイスをいただきました。

 

最初にスッポくんを見つけてつかまえた、たけも6年生。

「逃がそうと思うんだけど、どうかな?」と聞いてみると、「いいんじゃない」とニヤリ。

「じゃあ、おれが家で飼えないか聞いてくる!」と言っていた、3年のきおも「大きすぎるって言われた…」

やっぱりスッポくんを自然に返そうか。ほかのみんなも賛成したので、スッポとさよならすることになりました。

 

10月のとある日曜日。

今日は開いていないはずのすずかけに、えっちゃんの影…

運び出すのは、スッポくんです。

 

「自転車で走っている間も、すごいゴソゴソ行ってたよ」(えっちゃん)

 

いつもと違うことの連続に、バケツの中でおびえていたのでしょうか。

「ついたよ、スッポ」と声をかけると、

”ここは、どこ…?”というように、首をもたげて見回すスッポくん。

「さあ、スッポ、自然にお帰り…」

と川に放すと、スルスル~ッと泳いでいくスッポ。

えっちゃんとようへいくんとで、「あっさりしたもんだねえ」と話して、

のんびり野川と緑を眺めてから、10分ほどして「そろそろ帰ろうか」と腰をあげたところで、

 

「あれ? スッポ、戻ってきた!」

川から首を出すスッポが…!

”え、そろそろ帰る?”というような顔をしています。

 

スッポをじっと見つめて、ようへいくんが

「いいんだよ、スッポ。自由になっていいんだよ」と語りかけると、

”いいの? いいの? え、そう…?”

となんとなく名残惜しそうなスッポ。

だって、小さいころからずっとすずかけにいたんだもんね。

 

でも、”それなら…”とスーッとスッポは消えていきました。

川の中へ、自然の中へ…

 

さようなら、スッポくん! 元気でね!

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コメント: 2
  • #1

    こうママ (火曜日, 29 10月 2019 21:09)

    スッポのお世話、長い間ありがとうございました!スッポとえっちゃん、ようへいくんの心の交流が伝わってくるようで、あたたかい気持ちになりました。
    スッポは川の生活、慣れたかなあ?

  • #2

    ことこ (水曜日, 13 11月 2019 08:56)

    こうママさん、コメントありがとうございました!
    ほんとうにスッポ、元気にしているかなあ…
    すずかけには、亀吉のみが残っていて相変わらず元気にゴソゴソしていますが、
    スッポが「そろそろ帰る?」と聞きに来るくらいの気持ちで暮らしていたなら、
    スッポと亀吉の間にもきっといろいろテレパシー的会話があったに違いありません。
    亀吉なら、スッポのその後も知っている、やも…?!